移住立国あやべ

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茶つぼ 吉田(カフェ)

気軽に訪れたくなる店に

店主の湊美千代さん(71)の義母・吉田さよこさん(故人)がかつて、長年営んでいた茶葉と茶道具の店を改装して2016年秋にオープンした。古民家のような趣きを生かし、店内には以前使われていた茶つぼや木の茶箱、茶だんす、金具の取っ手が付いた和だんすなどが飾られているほか、今も使われているものもある。「茶つぼ 吉田」の屋号は、以前の商売にちなんで付けられた。湊さんを含む4人のスタッフに仕事の苦労や喜びなどについて話を聴いた。

店主の湊さん

料理は漆塗り食器で

店を開かれたきっかけは。
義母が亡くなって、義母が女手一つで頑張ってきた店を閉めてしまうのは心苦しく、誰もが気軽に訪れたくなる場所にできないかと知人に相談し、この店を開くことにしました。スタッフ全員が商売は未経験だったので、手探り状態でのスタートでした。オープンして5年目ですが、お客さんを選ばず、心を込めておもてなしをすることをモットーにしています。

古民家の趣きが生かされている「茶つぼ 吉田」の店舗

和室には古い茶だんすなどが今も使われている

これまでにどんな苦労がありましたか。
1年目は不慣れだったので、お客さんを待たせてしまうことがよくありました。客室のない2階で待って頂いたり、長い時には45分ぐらいお待たせした方もあり、ご迷惑をおかけしました。

この仕事をしていて、うれしいことは。
いろいろなお客さんとふれ合えることと、気の合う4人で一緒に仕事をすることも楽しいです。家に一人でいたら人とこんなに話すことはなかったかもしれません。それと、料理には漆塗りの食器を使っているので、器の良さを分かって頂けるとうれしい。若い方も「これすごい」と言ってスマホで写真を撮られたりします。器の魅力もあるせいか、ほとんどのお客さんが料理を残さず食べられます。それもうれしいです。

店内には、以前の商売で使われていた茶つぼや茶箱が飾られている

お茶を点てる体験も

食材はどのようなものを使われていますか。
野菜や果物は夫が家で栽培しているものを朝採りして持って来てくれたり、スタッフからも季節の野菜を提供してもらっています。農薬はほとんど使っていない安全な野菜です。料理もスタッフが家庭で作ったアイデア料理をアレンジして、店の一品に取り入れたりしています。

メニューにはどんなものがありますか。
和食のランチ(1200円・税込み)と飲み物は抹茶、コーヒー、紅茶、ケーキセットもあります。ランチには少なくとも10種類の小皿料理が付きます。ランチセット(1500円~1600円・税込み)にして頂くと、飲み物やケーキを加えることができます。抹茶の注文があればスタッフがお茶をててお出ししていますが、お客さん自身がお茶を点てて召し上がって頂くこともできます。外国人のお客さんは自分でお茶を点てられ、茶道にふれて喜ばれます。

ランチの一例

抹茶セット

この店の魅力は。
手作り小物の革製品や木工製品、絵手紙を展示(一部販売)したり、スタッフの一人で長年パッチワークに取り組んでいる女性の作品も飾っており、雰囲気も楽しんで頂けるところです。

店内に展示されているパッチワーク

来店客は綾部市外からも多いですか。
宮津市や舞鶴市、福知山市、福井県高浜町とか、亀岡市から来られた方もあります。口コミでこの店のことを知られたり、お客さんが店で撮られた写真をSNSで発信されることもあるので、そうしたことが集客につながっているようです。リピーターのお客さんも多いです。

これからどんな店にしていきたいですか。
お出しした料理の作り方を尋ねられることがあるので、その時はレシピもお伝えしています。「茶つぼ 吉田」の一品が家庭の一品に加えられるような、身近な存在の店にしていきたいです。

 

茶つぼ 吉田
綾部市本町3丁目32
電話 0773-43-1514
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