髙倉有光社(製造業)
自販機に逆風も強み生かし「次の一手」
創業は1888(明治21)年で、市内企業の中でも有数の歴史を誇る。初代・髙倉平兵衛から数えて5代目の社長となるのが髙倉雅紀さん(60)だが、今は新型コロナの影響で主力の自動販売機関連の売り上げが5割を超える下落となるなど、最大級の逆風が吹いているという。観光地に人が集まらず、テレワークで会社に出社しないなど「巣ごもり」が浸透、イベントや会合もないことで、「飲食業」である飲料自販機の利用が激減したのが原因だ。ただ、そんな中でも非接触・無電力のロッカータイプ自販機の開発を進めたり、新型コロナ対策製品の直販も含めた一般消費者向けグッズ販売に乗り出したりといった、たゆまぬ努力を続けている。
郡是製絲(現グンゼ)と歩調を合わせ、何鹿郡(現綾部市)の製糸業の発展のため、蚕具・製糸小道具の販売などから始まった同社。社名の「有光社」は旧約聖書からというのも、草創期のグンゼとの強い絆を感じる。現在では秤(計量器)の販売・修理や自販機の再生、精密板金部品製造、清涼飲料水販売などを手がけ、5年ほど前からはラッピングシートや案内看板の作成といったサイン事業にも注力している。環境問題を重視する観点から、環境マネジメントシステム規格「KES」のステップ2は9年前に取得した。十倉志茂町の本工場に髙倉社長を訪ね、話を聴いた。
製造から販売までをトータルで
自販機の会社というイメージが強いのですが、実は一般消費者向けの商品も販売されているのですね。
Tシャツやマグカップ、コースターなどに印刷できるオリジナルグッズの高品質プリントをしています。卒業記念や団体の周年、スポーツ大会の記念品などとしてのほか、愛犬・愛猫といったペットグッズとしても喜んでもらっています。「まゆピー」のグッズは、青野町のあやべ特産館や駅前通のあやべ観光案内所、また自社のネットショップで販売中です。「YUKOSHAまゆピーグッズ」で検索してもらえれば上位でヒットします。変わったところでは昨年12月から、家紋が入れられるマスクなども取り扱っています。
そういえば、西町1丁目の本社前ではTシャツの自販機も置いておられますね。
古い自販機を改造して、PRがてら良心的な値段設定にして販売しています。2019年にはテレビ東京系列のテレビ取材も受けました。綾部では映らなかったですけどね。うちは製造業ですので、アイデアから設計、試作、組み立て、完成、商品化までトータルでできるのが強みです。製造・直販なので品質と価格のバランスがよく、市価よりかなり安い値段で提供できていると思います。
新型コロナ対策製品の直販や一般消費者向けグッズ販売も
新型コロナ対応の商品もあると聞きました。
新型コロナも含めた抗ウイルス対策に使える抗菌・抗ウイルスフィルムですね。製品に合わせてカッティングしますので、タッチパネルやスマホ、押しボタンなどに貼ることができます。抗菌のものは比較的多くあるのですが、抗菌で、かつ抗ウイルスというのはあまりありませんし、簡単に貼れるため重宝されています。
今後も新商品をどんどん世に出されていくのでしょうか。
3月10日から京都市勧業館で開かれる「京都インターナショナル ギフト・ショー」に出展を予定して開発中なのが、無人販売などに使えるロッカータイプの自販機です。これは電力不要で非接触。様々な用途に使えると思います。また、昨年導入した3Dプリンターにより、金属以外の製品製作も可能になりました。
今後は一般消費者向けの商品も伸ばしていきたいと思っています。まゆピーグッズや家紋マスクなど今はまだ、もうかるというほどのものではありませんが、遊び心をもって楽しみながら、綾部のPRにもつながるものができればいいですね。
髙倉有光社
本 社=綾部市西町1丁目25
本工場=綾部市十倉志茂町菅撓2
電話 0773-45-1006
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