遠雷は聞こえども
猛烈な暑さと日照り続きでどこもかしこもカラカラに干上がっている。暑さがいくぶん緩む夕方、畑に水やりをしながら、せめて1日に15分で良いので夕立が降ってくれないものかと、青空を見上げながら小さなため息をつく。
息も絶え絶えの作物に束の間の潤いを与えながら、ふと遠雷の音が聞こえたような気がした。かすかな音だったので空耳かと思ったが、間を置きながら何度も聞こえる雷鳴は次第にはっきりとしてくる。南西の空から大きな入道雲が見る見るうちに張り出してきて、風が吹き始めた。待ちに待った夕立が来る。
家に入って期待しながら待つこと30分。しかし一向に雨は降らない。そうこうしているうちに空は再び夏の青空を取り戻した。期待が大きかっただけに、この空振りには大いに落胆させられた。夏の空は実に気まぐれである。
2018年7月23日撮影