移住立国あやべ

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綾茶café(カフェ)

綾部の茶が味わえるカフェ

あやべ特産館内にある「綾茶cafeカフェ」(青野町)は綾部の名産である〝あやべ茶〟にこだわったカフェだ。カフェでありながらメニューにコーヒーはなく、玉露や煎茶などの飲み物や、抹茶を使用したオリジナルのスイーツが出迎えてくれる。
店で使用されている〝あやべ茶〟を生産しているのは中田義孝さん。数々の品評会で表彰される茶のスペシャリストだ。そして綾茶cafeを切り盛りするのは義孝さんの娘である友さん。開店当初から親子二人三脚で作り上げてきた店について二人から話を聴いた。

店を始めた経緯を教えて下さい。
中田(義) あやべ特産館のオープンがきっかけです。「綾部らしいものを提供する場」である特産館内でお茶を飲める店をやってみないか、と声をかけてもらいました。茶の生産を生業なりわいとしてやってきましたが、商売となると不得手。急遽きゅうきょ、京都市内で働いていた娘(友さん)に声をかけ、店を担ってもらうことにしました。
店を始めた当初は急須でれたお茶の美味おいしさを味わってもらえたらと思っていましたが、なかなかそれだけではお茶の良さを知ってもらうには難しくて…。

メニューには、たくさんのスイーツや飲み物が並んでいて、茶を楽しんでもらいたい気持ちが伝わりますね。
中田(義) メニューのアイデアを娘に任せ、茶を使ったスイーツを提供するようになりました。 季節感に合わせてメニューを工夫しています。例えば春は自社(両丹いきいきファーム)栽培のイチゴを使ったスイーツ、夏は宇治金時、秋はほうじ茶、そして冬はぜんざいといった具合です。あんこに使う小豆も綾部産にこだわっています。本当は自慢の玉露やお抹茶を飲んで頂きたいのですがね。

オンリーワンと言えるメニューはありますか?
中田(義) 玉露をあますところなく味わえる玉露セットですね(税込み800円)。茶を飲むだけでなく、茶葉を食べることで茶の食感と味わいを楽しんで頂けます。新芽は柔らかく渋みも少ないので、どなたでも美味しく召し上がって頂けると思います。

 

綾部の茶が味わえるカフェ

茶葉まで食べる「玉露セット」も
中田(義) 自然を相手にする農業は、できた物の価値で勝負するしかありません。これまで一介の茶生産者として「良いものを作れば信頼される。自身の納得のいくものを作ろう」と汗を流してきました。しかし茶の〝飲料〟としてではなく〝食材〟としての価値の高まりを感じたことから、1989(平成元)年に抹茶の原料を作る工場を共同で設けました。 当店で提供している抹茶のソフトクリームを最初に作った時の話です。普通よりも多めに抹茶を入れても、自分が作った抹茶なら渋さも苦味も抑えられ、かつ風味を損なわないソフトクリームができあがり驚きました。飲み物でなくとも抹茶の良い所が出せるのだな、と素直に感心しましたね。

(友さんに向けて)義孝さんから突然、綾部で店をやってくれと言われた時の気持ちは。
中田(友) 正直驚きと戸惑いがありましたが、京都市内から綾部に帰ってきて店を始めて…なんとかここまでやってきた、という印象ですね。京都市内にいた時は京都駅の新幹線構内にあるお茶も取り扱う和菓子店に勤めていました。その時に教わったお抹茶のて方が今の店でも役立っています。
店ではほうじ茶や抹茶スイーツをお客様に提供することが多いのですが、私としては子どもの頃から飲んできた父の青柳(玉露の番茶)が一番美味しいと思いますね。


記者は玉露を頂いた。無教養の身ゆえ形容できる言葉が思いつかなかったが、一つだけ言えることは「ただ、美味うまい」。茶を飲み終えたあとに食べた茶葉も絶品だった。
玉露の美味しさを引き出すため一煎いっせん目に注ぐ湯の温度は人肌程度が良いとのこと。茶に関しては譲れないおもいがありながら、娘を頼りにする一面を持つ義孝さん。そして店を担うのは大変、と言いながらも「父の茶が一番」と話す友さん。お二方からは清々しささえ感じた。熱すぎず冷めすぎずの温度であることが肝心。茶も親子も同じなのかもしれない。

綾茶cafe
綾部市青野町亀無1―2 あやべ特産館内
電話 0773-43-0835
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