讃岐うどん 吾平(飲食店)
「50歳が勝負時」と独立、福知山から妻の古里綾部へ
人生には「勝負時」というものがあります。長く勤めていた会社を辞めて一念発起、2005年にうどん店を開き独立した桐村昭夫さん(65)=新町=は、50歳の節目を迎えたのを勝負時とみました。
決断してからの行動には迷いがありませんでした。福知山にはこれといったうどん店がないとみるや「うどんで勝負」と讃岐うどんの本場、香川のうどん専門の学校で勉強。次に大阪のうどん店で実地研修を受けたあと、古里の福知山市内でうどん店を開き経営を軌道に乗せたのです。
次に、勝負に出たのは15年後。福知山で地代を払いながらのうどん店経営に見切りをつけ、経営パートナーでもある妻が生まれ育った綾部で、妻の実家が大島町で所有する1650平方㍍(500坪)の土地を生かして19年秋に新しいうどん店をオープンしました。
今の店では、うどんだけでなく丼物や鴨鍋など70~80種類のメニューを用意。開店から1年経った今、福知山の店での常連客以外に、綾部の家族連れやグループ客など新しい客層をつかんでいます。
桐村さんに話をお聞きしました。
こだわりの出汁、うどん、粉から練る麺も自家製
讃岐うどん吾平で「これだけは他の店に負けない」と自信を持っているものは?
出汁とうどんです。出汁は鰹と鰯、鯖、北海道産の利尻昆布といった天然物の材料でとります。化学調味料は一切使いません。また、うどんは粉から練った自家製の麺。釜から湯がいて熟成させており、充実した設備もチェーン店のレベルです。
讃岐うどんの店として特にこだわっていることは?
出汁もうどんも湯がいてから30分~1時間もすると劣化してきます。ですから、劣化したものはお客様には出しません。
すると、捨ててしまわれるのですか?
いえ、それらを使って「うどんのフライ」を作ります。カリカリに揚げますのでビールなどのつまみにピッタリです。
「讃岐うどん」だけの店と思っていたら、うどん以外のメニューが随分ありますね。
はい、丼物や焼き肉などもやっており、メニューは70~80種類。「定食屋みたいや」と言われます。その中で最も人気があるのは「鴨鍋」。味に癖がない合鴨を使っているので大変好評です。
店の収容人数は。また、車で来られる方は駐車場が広いので便利ですね。
1階は23席のほか、小グループや家族連れにも対応できる座敷がありIHテーブルで鍋や焼き肉が食べられます。収容人数は8組で計32人です。駐車場は18台が悠々。少し詰めれば二十数台は停められます。
店の名前のいわれを教えてください。
50歳を機に会社を辞めて讃岐うどんの店をオープンするとき、妻が「50というキリのいい数字の〝五〇〟を漢字にしたら?」と言ったので〝吾〟の字がつく店名「吾平」にしました。
綾部で店を始められてから今日までに何かエピソードというか、楽しい話があれば聞かせてください。
オープンした頃、ざるうどんを注文された女性客の中で1㍍以上の長さのざるうどんを、なんと立ち上がって食べられた方がありました。
スタッフは?
私たち夫婦のほか、30代~50代の女性スタッフが3人。それに土日は高校生のアルバイトさんに手伝ってもらっています。
これからの店づくりで思い描いておられるビジョンは?
当店が自信を持って提供するおいしいうどんを大勢の方々に食べてほしいのですが、なかでも今後は多くの高齢者の方々にご来店いただきたいと思っています。
綾部市大島町北和田10-3
電話 0773-43-0581
営業時間
11:30~15:00(L.O.14:30)
17:30~21:00(L.O.20:30)
定休日 第1火曜日、水曜日
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、事前に店舗にご確認ください。