移住立国あやべ

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大川瓦店

誠意とこだわりで 美しい仕事を

大切な家屋を風雨や直射日光などから守る重要な建材でありながら、普段は見過ごされがちな屋根。住宅着工軒数の減少や後継者不足などから業界全体が厳しい状況の中、「地域に愛される店になりたい」と昨年1月に独立創業した業者がある。大島町の大川瓦店(大川未希代表)だ。
 大川代表(43)は寺町出身。綾部小学校、綾部中学校を卒業後、働きながら綾部高校定時制普通科を卒業した。19歳の時に市内の瓦工事店に入って以来、転職した別の瓦店も含めて24年間、職人として腕を磨いてきた。

代表の大川さん

最初に勤めた瓦工事店では、働きながら京都市内の専門学校で勉強をすることを許され、卒業と同時に国家資格の「かわらぶき技能士」の2級を取得。数年間の実務経験を積み、20代前半のうちに1級へ昇格し独立を果たした。
 40代で独立したことへの思いや仕事への情熱、今後の目標などを大川代表に尋ねた。

瓦の良さをもっとアピールしたい

瓦工事に携わるようになった経緯を教えて下さい。
大川 中学校卒業後、初めはガソリンスタンドで勤めていましたが、19歳の時に先輩に勧められ、「違う世界を見てみたい」と飛び込んだのがこの業界でした。初めのうちは特別な思い入れはありませんでしたが、経験を積み、技術が身に着くごとに楽しさを覚え、この道で生きていこうと決意しました。

点検の際には現場の写真を撮って依頼者に説明するよう心掛けている

業界の課題はどんなことがありますか。
大川 阪神・淡路大震災以降に屋根の軽量化が叫ばれ、金属やスレートなどほかの建材に押され、瓦工事の業界全体が厳しい状況です。「瓦は重いから地震に弱い」というイメージで敬遠されがちですが、瓦は耐用年数が長くて維持費用も安価な優れた屋根材です。仕事としてほかの屋根材も扱いますが、瓦の良さをもっとアピールしていきたいです。

 

心配事がある時は地元の業者に相談を

仕事を通して解決したい地域の課題はありますか。
大川 屋根は目で見て分かるほどに傷んでしまった時には手遅れで大きな工事が必要になってしまうので、早期発見、早期修理のための定期的な点検をお勧めします。最近は遠方からも多くの業者が営業に来られます。もちろん、すべてが悪質な業者とは限りませんが、必要以上の過剰な工事や高額請求につながるケースも心配されます。その点、地元の業者は絶対に悪さはしないので、何か心配事があるときは、うちでなくても良いので地元の業者に相談されることをお勧めします。

点検時に見つけたちょっとした問題はその場で解決する

屋根の修理「服のコーディネート」と同じ

「これだけは負けない」という商品、サービスはありますか?
大川 お客様に対して嘘や偽りなく、誠意を持ってこだわりを持った仕事をするという決意で、自分の苗字の「大川」を屋号にしました。瓦は一部だけ新品に葺き替えたり、元の瓦を葺き直したりするなど、様々な修理方法があります。また工事代はどうしても高額になりがちなので、場合によっては屋根の修繕は最低限に抑えて代わりに別のリフォームに予算を回すようお勧めすることもあります。服のコーディネートと同じで、屋根も予算や要望、好みなどに合わせて組み合わせやパターンは様々です。できるだけお客様が余分なお金を使わずに満足いただける提案をしていきたいと思います。

防災瓦や機能性に優れた瓦など各種メーカーの商品を取り扱っている

今後の目標をお聞かせください
大川 独立して間もないので、今は工務店さんからいただく下請けの仕事が中心ですが、今後はお客様から直接声を掛けていただき、「大川瓦店」という屋号でできる仕事を増やしていきたいです。屋根は雨、風、雪などから家を守る重要な場所です。家主さんが普段見上げる機会は少ないかもしれませんが、家主さんの生活をしっかりと守り、後世に残しても恥ずかしくない美しい仕事をしていきたいと思います。

 

綾部市大島町大藪6-1

電話 0773-43-3053