移住立国あやべ

House

リノベーション/SAさん宅の場合

築50年の家をフルリノベーション

東京から綾部に移住したSAさん夫妻の暮らす家は築約50年。
綾部市の空き家バンクで見つけた物件だ。

リノベーション前の外観。コンクリート瓦葺。そのままでも住めそうな印象を受ける。

 

リノベーション前。古民家と同様、田の字型の和室、玄関の先が土間といったよく見られる間取りだ。

 

夫妻がこの家を購入したのは2020年8月。
同年11月初旬に移住し、離れに荷物を運び込んで暮らしながら、12月に母屋のリノベーションに着手した。工期は約6カ月。

離れがあったため、リノベーションを進めながら暮らしを始めることができた。

 

離れでの約8カ月間の生活はどうだったのか尋ねると

寒かったけど、コンパクトなので意外と便利でした。

とSAさん。母屋の工事の様子を毎日見に行っては大工さんたちと会話していたので、すっかり仲良くなったという。

夫妻はもともと蔵のあるトタン屋根の古民家を探していたが、結局たどり着いたのはコンクリート瓦葺のこの家。畑と田んぼが目の前にあり、2人の希望にぴったり。空き家バンクで見つけるや、すぐに気に入った。

古民家を手に入れたら自分でコツコツと手を入れていこうと思っていたのですが、この家だったら工務店に頼んでフルリノベしちゃえ!と考えました。

 

自ら間取り図から模型、CG制作まで手掛ける

夫妻は現状の図面を見ながら新しい間取りを考えて図面を描いてみた。
その図面をもとに2カ月かけて立体模型を作り、2人でイメージを膨らませたという。

間取りの模型など作ったこともなかったけど、コロナ禍で出かけることもなく、妻も退職していたので時間はいくらでもありましたから(笑)。

 

模型作りの経験がなかったとは思えない精巧な間取り模型。

 

玄関周り。実際もかなり模型に近い形で完成した。

 

その後夫妻は、移住立国あやべホームページのリノベーション事例で知ったという村上建設に設計と見積を依頼。提示された図面をもとにやり取りし、細かい点を10回近く修正して図面が完成した。

SAさんはさらにスキルを活かして、完成イメージをCGで制作。完成後と比べると、いかにイメージ通りに出来上がったかがよくわかる。

SAさんが制作したCG。

 

完成した実際の写真。CGそのものに出来上がっているのがわかる。

 

 

SAさんがリノベーションに当たって力を入れたのは

・広々としたリビングルーム
・薪ストーブは必須
・テレビと音響を楽しめるように

といった点。
老朽化していたコンクリート瓦も撤去し、ガルバリウム鋼板に葺きなおした。

老朽化していたコンクリート瓦。

 

屋根をガルバリウム鋼板に葺き替え、外壁もシックな黒に。

 

床下はコンクリートを打設し、壁、天井を含めてすべて断熱材をふんだんに入れた。さらに床には厚さ30mmの杉材を使ったため、常に快適で「冬は暖かく夏は涼しい」とSAさんは満足げだ。

夫妻は「Pinterest」などでさまざまな家の写真を見ては、理想的な部屋づくりや部材選びの参考にしたという。

最終的な間取り図にネットで探したリノベーション事例の写真を貼り付けて完成イメージを膨らませていった。

 

不満点を探すのが難しいほどの完成度

フルリノベーションしてみて特に気に入っているところを挙げてもらうと以下のようだ。

・風呂が掃き出し窓で半露天風呂を味わえる
・寝室やヌック、収納として使っているロフトが12~13畳と広い

ヌックは薪ストーブのおかげでとても暖かい。

 

ロフトからリビングルームを望む。

 

・キッチンが広くて開放的

お気に入りの広々とした機能的なペニンシュラ(半島型)キッチン。

 

逆に不満な点を訊くと、2人で顔を見合わせ「うーん」と考え込んだ。ほとんどイメージ通りに出来上がったので、不満が残る余地がなかったようだ。

 

和室周りの開放的な空間。

 

仕事の部屋は打放しコンクリートと木の暖かさを生かした。

 

リノベーションに当たってSAさんは効果的に補助金制度を活用。綾部市の「空き家活用定住促進事業費補助金」や京都府の「木造住宅耐震改修等事業費補助」を使うことができたそうだ。リノベーションの際には工務店等を通じて調べておくと良いだろう。