移住立国あやべ

House

リノベーション/Iさん宅の場合

大きな古民家、直感で購入決定

大阪府堺市から綾部市志賀郷地区に移住したIさん一家は、夫婦と娘さんの3人暮らし(長女は大学在学中のため別居)。移住を決めると何度も綾部に通い、1日に3~4軒のペースで空き家を精力的に見て回った。そして10軒目に見たのが、1931(昭和6)年にこの場所に移築されたという古民家。

 

リノベーション後の堂々たる外観。

 

大きい古民家が希望だったので、この家に魅かれました。大きい家なら自分で手を入れる楽しみもありますから。

 

 

その言葉通り、この家は床面積150㎡、宅地面積420坪とかなり大きい。初めて見たときに家の状態が良かったことも好印象だったという。リノベーション後は、広大なLDKと大小6つの和室に加え、洋室や縁側を持つ家になった。

 

最終的な間取り図面。左半分を工務店にリノベーションを依頼した。

 

 

初めてこの家の外観を見たとき「いいな」と思ったんですが、すでに他の方と商談が進んでいました。その後、キャンセルが出たというので中を見せてもらい、直感で決めました。

 

Iさんは、この家の仲介をしてくれた村上建設に依頼し、和室スペースを除くLDKや水回りなど、家の約半分にリノベーションを施すことにした。

できることは自分でやりたい

屋根裏の片づけや壁塗り、床の補修など「できることは自分でやりたい」と村上建設に伝えると、それに合わせてプランを提示してくれました。和室部分も自分でコツコツと手を入れています。

 

屋根裏の片づけとそうじも自分で行った。

 

2020年6月に着工。同年3月に引越したIさん一家は、和室で暮らしながらどんどん進んでいく工事の様子を毎日見ていたという。

 

夜は工事中のスペースに椅子を置き、コーヒーを飲みながら完成後の風景をイメージしていました。そういうプロセスが楽しかった。

 

Iさんは元々の間取り図に使い慣れたソフト「イラストレーター」で希望の間取りを描き込んで伝えた。Iさん夫妻が特に希望したのは次のような点だ。

・天井を取り除き、美しい梁を見せたい

 

リノベーション前

天井を抜き、梁を露出させた。

 

・大きなキッチンとパントリーがほしい

使い勝手の良いペニンシュラ(半島型)キッチン。

冷蔵庫も収まった大きなパントリー。

 

図面や手描きの絵でイメージを伝えながら

奥様も絵を描いて具体的な要望を伝えたのだという。

 

奥様の手描きの絵にIさんがイラストレーターで手を加えて希望を伝えた。

 

床下にはコンクリートを打ち、壁や天井などにもきっちりと断熱材を入れた。床には30mm厚の杉を用い、どの季節も快適に過ごせる家になった。

断熱対策をきっちりと。

 

洗面やトイレのボウルから照明のスイッチに至るまで自ら調べ、徹底的に好みに合うものを選んだというだけあって、非常に満足度の高い仕上がりになった。

洗面ボウルは家庭用のものではなく、デザインと機能で「実験用」を選ぶという凝りよう。蛇口奥のタイルも自ら貼った。

棚の形状も細かく希望を伝え、トイレの手洗いボウルも陶器製のものを選んだ。

広々とした落ち着いた浴室。

 

広いLDKには「薪ストーブを置きたい」とこれからの計画に胸を膨らませるIさん夫妻。

キッチンとダイニング。梁がなければ古民家とは思えない。

こたつを置いたリビングスペース。移住してから家族に加わった「てんちゃん」も居心地が良さそう。

和室だったリビング横の部屋は娘さんのために明るい洋室に改装。

蔵に眠っていた古い家具は自らの手できれいに生まれ変わらせ、今はリビングルームに置かれている。

 

今回リノベーションを施さなかった和室には、Iさんがこれからじっくりと手を入れていくという。お楽しみはまだまだ続きそうだ。

 

この家の満足度は?と尋ねると

リノベーションをお願いした部分は文句なしに100点満点で気に入っています。自分で塗った壁などには課題を残しましたけど(笑)。

と大満足の表情だ。