柳拓磨さん、香菜子さん「不便でさえ楽しめる」【奥上林地区】
以前住んでいた場所:神奈川県平塚市
現在の住所:綾部市睦寄町
移住の時期:2026年1月
世帯構成:夫婦と子ども2人
拓磨さん 1994年生まれ、香菜子さん 1986年生まれ
太智くん 2019年生まれ、文乃ちゃん 2021年生まれ
拓磨さんにインタビューさせていただきました

柳さん夫妻は移住前は横浜で看護師として働いていました。
群馬県の田園風景の中で育った拓磨さんは2020年ごろから田舎暮らしを本気で考え始めましたが、妻の香菜子さんは横浜の都会育ち。最初は移住に抵抗があったそうです。
でも少しずつ里山暮らしの魅力を知り、最後は香菜子さんも納得して移住を決めました。
田舎暮らしは慣れないことや驚きの連続ですが、それを補って余りあるほど充実した日々を満喫しているようです。
コロナ禍と半農半X
長男の太智くんが生まれて間もなく、誰もがコロナ禍で息の詰まりそうな日々を強いられることになりました。
そんなとき、拓磨さんは塩見直紀さんの著書「半農半Xという生き方」を読んで影響を受け、看護師の仕事のかたわら、畑を借りて週末農業を始めました。
しかし香菜子さんは横浜市で生まれ育ったため移住には乗り気ではなかったそうですが…
最初はそうでしたが、畑の世話をしたり、何度か里山を訪れたりするうちに田舎暮らしがイメージしやすくなって、移住への抵抗感も小さくなっていったようです。
移住先は最初から綾部に決めていたのですか?
そうしたとき、拓磨さんは半農半Xの“聖地”綾部に興味を持ちました。
移住で失敗したくなかったので、綾部市が移住者をたくさん受け入れているという話を聞いて、綾部に絞りました。
家探しは綾部市の空き家バンクで古民家を探して、全部で7軒内覧した末に決めました。
綾部のいろいろなエリアを見て回りましたが、上林の雰囲気が気に入ってしまい、途中からは上林限定で探しました。
そして2026年1月下旬、ついに移住。
引っ越したとき、睦寄町は大雪が降って深く雪が積もっていました。ここで柳さん一家はいきなり予想外の試練に見舞われたのです。
移住した地域には上水道が来ておらず、生活のための水は山水なのですが、蛇口を開いても水が出なかったのです。何年間も使われていなかったらしく、山水は使用不能になっていました。それから約1カ月間、あやべ温泉に通い、コインランドリーで洗濯し、タンクで水を汲んできてどうにか凌ぎました。
膝まで埋もれる積雪の中、ご近所さんが協力してくれて水源を探し当て、配管やポンプ、浄水器を整えてようやく水が使えるようになったそうです。
最初は「本当に生活できるのだろうか」と不安になりました。生きることに時間を割かれる日々ですが、せっかく里山暮らしをしているのだから不便を楽しむぐらいで丁度良いと思っています。
仕事もプライベートもやりたいことだらけ!
移住後すぐに拓磨さんは地元の酒造会社で働くことになり、酒造りを学ぶ機会を得ました。クラフトビール作りに興味のある拓磨さんに「それならその前に酒造りを学んでみては」と移住の先輩から紹介されたのがきっかけ。
しかし酒造りは冬場限定のため、それ以外の季節は奥上林地区の農場で主に米作りの仕事に従事しています。拓磨さんはクラフトビール作りのほか狩猟にも興味があり、近日中に狩猟免許を取得したいとのこと。
香菜子さんは「あやべ温泉」で働きながら、将来的には農家民宿の経営も視野に入れているそうです。
太智君と文乃ちゃんは地元の小学校とこども園にすっかり溶け込んで、外に飛び出しては虫やカエルを探すのに夢中。
子どもたちは伸び伸びと楽しんでいます。いつもごはんがおいしいと言うんですよ。
もう移住前の生活に戻りたいとは思いません。やりたいことを何でもやらせてもらっています。
家族それぞれがこれからの展開に胸を膨らませているようです。
綾部で気に入っているのはどんなところですか?
奥上林ならではの緑が迫ってくるような雄大な里山風景です。
ご近所さんは個性豊かな良い人ばかり。引っ越してきて水が出なかったとき、ご近所さんが「うちの風呂に入りに来ていいよ」と言ってくれたのでありがたく入らせてもらったら、夕食まで用意してくれていて。大雪のときは卵を持って様子を見に来てくれたり、ご近所さんには本当に恵まれています。
それから私は温泉好きなので近くにある「あやべ温泉」の存在がうれしいです。
これから綾部への移住を考えている人に何かアドバイスはありますか?
綾部は移住者を気持ちよく迎え入れてくれる場所です。
それと四季がはっきりしていて、冬の寒さを経験すると春が待ち遠しい気持ちになるところが良いですね。
家探しをする場合は、インフラをきっちり確認することが大事。見た目だけで家を選ぶのではなく、水道、浄化槽、プロパンガスのことなど都会生活では考えなくて良いことも、家を選ぶ前に知っておく方が良いと思います。
移住をお考えなら、一度綾部を訪れてみてください。あやべ定住サポート総合窓口がお手伝いします。移住の先輩や地域の人と交流できる場づくりも可能です。






