山登りしてみましょう 君尾山(故屋岡町) 標高582m
君尾山へ行くには、「あやべ温泉」を起点にするとわかりやすいです。ここから山の道を進んで行くと駐車場が見えてきます。
駐車場から石段を昇ると、国宝に指定されている鮮やかな朱塗りの二王門に出迎えられます。
二王門は、一階にも軒と屋根を設けた二階建の「二重門」、間口が三間でそのうち中央間を戸口として開口している「三間一戸」と呼ばれる構造になっていて、鎌倉時代の建築物としては珍しいのだそうです。鳳凰が羽を広げたような威厳が感じられ、天気の良い日に訪れると青空とのコントラストは息を呑む美しさです。
ここを訪れる人たちを見守ってきたのでしょう。八十八体の石仏にご挨拶。
落ち葉や木の実を拾っては眺めてはしながら、山歩きはゆっくりとスタートします。
木立の間から見える景色に目を奪われます。君尾山の道のりは長いですが、険しくないので歩きやすく、保育園の年長ぐらいのお子さんとなら一緒に登れますよ。
稜線が美しく、思わず立ち止まってしまいます。冬場は雲海が広がります。
山道はいたって緩やかです。
光明寺に到着です。
本堂には本尊の千手観音菩薩、その両脇に「二十八部衆」と呼ばれる仏像28体、その他に12体など計40体が安置されており、室町時代の古文書「光明寺本堂再興勧進帳」と「光明寺奉加帳」、市指定文化財の棟札が納められています。
普段は一般公開されていないので中は拝見できません。
本堂の軒先には見事な龍が彫られています。その奥に室町時代に作られたという鰐口が吊り下げられているのが見えます。
敷地内には宝篋印塔、地蔵堂、鐘撞堂があります。
光明寺を離れ、山歩きを続けます。色とりどりの落ち葉で足元に目をやるのも楽しいです。
様々な樹木に出合えます。
そのまま山頂を目指さずに大トチへと向かいます。ずるずると滑る箇所があるのでガイドロープをつたって下りていきます。
樹齢二千年といわれている大トチ。
この山のことだけではなく、大地を通して地球上で起こったことの全てを知っているのではないかと思えるような威厳と慈愛を感じます。
かなりの急傾斜でまともに歩くと滑り落ちていきますが、腰を低くして下りていけば大丈夫です。
林道を進んで行くと頂上です。木々に覆われて見晴らしはありませんが、ここへ来るまでの面白さを思えば、こんな山歩き体験もいいものです。
原っぱのような開けた広い場所があるので。敷物を広げて弁当を食べるのにちょうど良いです。
太陽が傾いて朝とは違って見える山並み。
色彩豊かな林道を下って、そろそろ君尾山を歩く旅は終わりです。