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【田舎暮らし豆知識】薪ストーブと薪づくり

薪ストーブを使いたいけど、薪はどうやって調達するの?

そんな声をよく聞きます。薪の消費量は、寒さによりますが、一冬で1〜5トンぐらいにはなります。想像以上の量ですよね。薪は購入する方法と、自分で作る方法の2つがありますよ。

 

■薪を購入する

薪10本ぐらいを束にしたものが300〜600円ぐらいで販売されています。ホームセンターなどで買うと高いので、安く販売してくれる店や人をネットや口コミで探すのが一番です。1束100円違えば100束で1万円もの差になるのですから、安いところとなじみになるのが得策です。

ただし安いから良いというものではなく、どんな種類の木なのかをよく見なければなりません。スギ、ヒノキ、マツといった常緑の針葉樹は薪としてはあまり良いとは言えません。カシ、クヌギ、コナラ、ケヤキといった落葉広葉樹を選ぶことです。

切り倒して、薪の長さに玉切りしたカシの木。とても堅い木です。

 

■自分で薪を作る

薪を必要としていることを普段から周りの人たちに話していると、「○○さんが山から木を伐り出して処分に困っているらしい」「△△さんが山の木を伐ってもらいたがっている」「薪が大量に残っている納屋を取り壊すことになった」といった話が舞い込んでくることがよくあります。そんなときはすぐに軽トラックにチェーンソーや斧を積んでいただきに行きましょう!薪の調達はチャンスを逃さないことが大切です。すぐに行動すること。行動できなくても「取りに行きます」という意志をすぐに伝えることです。

あなたが所有する山がある場合は、間伐を兼ねて木を伐り倒す方法もあります。ただし安全に安全に。

大きな木を倒すのは大変危険な作業なので、必ず熟練者に付き添ってもらって指導を受けながらやらなければなりません。慣れてきても、基本的に伐倒作業は1人で行うことは禁物です。プロでも死傷事故に巻き込まれることがあります。チェーンソーの扱い方も熟練者に教わることが肝要です。

大きな木を1本切り倒したら、かなりの量の薪が作れます。

薪に向いている木は前述の通りカシ、クヌギ、コナラ、ケヤキといった「堅木」と呼ばれる落葉広葉樹ですが、これらの木は恐ろしく重く、堅いのが特徴です。直径40cm、長さ1mぐらいの堅木になると持ち上げることも難しいかもしれません。

堅木はゆっくり成長するので年輪が詰まっており、木の密度が非常に高いからです。だからこそ火の持ちが良く、良い「熾火(おきび)」ができます。スギやヒノキは一気に温度が上がってあっという間に燃え尽きてしまうので、火の持ちが悪く、薪ストーブの庫内を傷めやすいので薪には不向きです。ただし、燃やし始めの焚き付けとしては重宝します。

 

玉をこれから割ろうという現場。良い枝はシイタケなどのホダ木になります。

木を伐り倒したら、チェーンソーで薪の長さ、そうですね40~50cmぐらいでしょうか、に輪切りにしていきます。これを「玉切り(たまぎり)」といいます。玉切りにした木を「玉」と呼びます。玉を斧で適当な太さに割って、雨の当たらない風通しの良い場所に積み上げ、1年間ほど乾燥させます。これでやっと薪の出来上がり!

 

薪小屋に積み上げられた薪。最低1年間は乾燥させてから使います。たくさん積みあがった薪があると心が豊かになります(笑)。

体力がある人はどんどん斧で薪割りをすれば良いのですが、自信のない人は薪割り機という強力な機械を使う手もあります。電気やエンジンの力で太い薪でも面白いように割ってくれますよ。斧で割るにしても機械で割るにしても薪割りはとても楽しい作業で、気持ちのいい汗がかけます。どんどん薪が積みあがっていく快感ったらありません!

田んぼや畑が休みとなる農閑期は体を動かすことが極端に減ります。そんなとき、薪割りと雪かきがなまった身体を叩き起こしてくれます。
薪割りを楽しんでこその薪ストーブライフです!