移住立国あやべ

綾部からの声Voice

【口上林に移住した経緯】高村秀幸さん、由起子さん

以前住んでいた場所:京都府宇治市

現在の住所:綾部市十倉中町

移住の時期:2023年6月

家族構成:夫婦

玄関前に立つ秀幸さんと由起子さん

 

広い土間でドライフラワー作り

宇治市の公団住宅で約20年間暮らしていた高村さん夫妻。3人の息子はすでに独立、4人の孫もいます。
口上林地区に移住して、由起子さんは大好きなドライフラワー作りを思う存分楽しんでいます。この家を気に入ったのも、コンクリートを打った広い土間がドライフラワー作りに最適だと直感したからです。京都市内などのイベントに出店してドライフラワーを売る機会が多いため、そうした地域へのアクセスの良さも気に入ったのだそうです。

土間を改造した由起子さんの仕事場には数え切れないほどのドライフラワーが並ぶ。

お二人はどんな仕事をしていたのですか?

消防署の救急隊に60歳まで勤め、定年退職後は借りた畑で花を育てていました。妻が取り組んでいるドライフラワー作りの助けになればと思って始めたのです。
しかし4階の部屋に住んでいたので、自宅から畑まで水を運ぶのが次第にきつくなってきました。それで田舎で伸び伸びと畑をやりたいと思ったんです。
救急隊の仕事は常に気持ちが張りつめていただけに、以前から定年後は田舎で花を育てながらのんびりと暮らしたいと思っていました。

 

私は知的障害者の支援員として働きながら、10年以上、ワークショップに参加するなどして、いろいろな人からドライフラワーを学んでいました。ドライフラワーはもともと好きだったのです。リースやスワッグを作ってはイベントなどに出店して販売していました。

 

では秀幸さんが移住を言い出したのですね?

そうなんです。ある日「田舎に移住したい」と言い出して。私は特に田舎暮らしには関心がなかったんですが、ちょうど支援員の仕事をそろそろ辞めようと考えていたので、タイミングが良かったのです。

 

そうしてお二人の移住計画が進み始めました。移住候補地は綾部市と舞鶴市。

京都北部は、ドライフラワーを出店することが多い京都市内へも意外と近いことがわかりました。空き家をいくつか見せてもらううちにこの家に出合いました。
この広い土間が一目で気に入りました。

 

家が決まると由起子さんは支援員の仕事を辞め、すぐに移住の準備にかかったそうです。

玄関脇のスペースにもドライフラワーが並ぶ。照明はもともとあったものだそう。

借家を選んだ理由

実はこの家は借家。それは「自分たちが死んだあと、息子たちに負担をかけたくない」という配慮からだそうです。

借家とはいえ、ここを終の棲家にしたいと思って、玄関扉や風呂、キッチン、窓などに手を入れて快適に暮らせるようにしました。

 

 

秀幸さんが花づくりを楽しんでいる畑。花の季節には色とりどりの花が咲き乱れる。

由起子さんはこの家に「natural factory pole pole(ポレポレ)」の屋号を付けて、ドライフラワー作りに専念しています。

材料は夫の育てる花、綾部で仕入れた花など、あちこちから仕入れます。田舎暮らしは予想に反して全然「のんびり」とはいきません(笑)。何かと忙しいですが、好きな仕事を思い切りできるので満ち足りています。

 

移住して困ったことはありませんでしたか?

湿度の高さです!綾部の湿気の多さに驚きました。革製品には全部カビが生えて、ドライフラワーもカビで全滅してしまったんです。綾部の暮らしに除湿器は不可欠だと思います。

 

では綾部の「ここが好き!」というところは?

うちは高台に建っている古民家なので、ここから見下ろす上林の雄大な景色は素晴らしく、いつも庭から眺めています。広い庭にも満足しています。
それに何でも相談できるご近所さんがいるのも心強く感じています。

 

上林川の流れる雄大な風景が自宅から眺められる。

夫婦それぞれが夢をかなえたことが、お互いのためにも役立っている。高村さん夫妻の移住は、まさに理想的な形ですね。