移住立国あやべ

綾部からの声Voice

横山浩三さん「自然の中で子育てしたい」【山家地区】

以前住んでいた場所:京都府京都市

現在の住所:綾部市上原町

移住の時期:2018年3月

世帯構成:夫婦と子ども2人

1989年生まれ

 

都会生活に疑問を感じ、自然豊かな場所で子育てをしたいと考えて京都市から上原町に夫婦で移住した横山浩三さん。移住後に2人の子どもに恵まれ、充実した暮らしを送りながら、思い描いていた生活がここにあると感じているようです。

現実味が感じられない都会暮らし

横山さんは明友美あゆみさんと2017年に結婚。京都市内で暮らしていたのですが、、、

都会で家や車を所有することを考えるとお金はたくさんかかるし、自然の少ない環境で子育てすることにも現実味を感じていませんでした。私は愛媛県西予市で生まれ育った「田舎育ち」で、自然豊かな田舎の暮らしの良さをよく知っていたからです。

 

 

義祖父母の実家が空き家に

現在、横山さん一家が暮らしているのは、もともと明友美さんの祖父母が生まれ育った家でした。

義理の祖父母が亡くなったあと、義理の伯父がしばらく住んでいたんですが、伯父が同じ町内の別の家に引っ越したため、空き家になったんです。
そのとき、義母が妻に「あの家にあなたたち夫婦が住めばいいのに」とポツリと言ったのだそうです。妻からそれを聞いて、私は間髪入れず「住んでいいのなら住むよ」と答えました。都会暮らしに無理を感じていたこともあって「それもいいかな」と思ったんです。(綾部市の隣の)福知山市で育った妻も「移住先が綾部なら」と前向きに考えてくれました。

 

義母の一言から横山さんの身辺が一気に動き始めました。さっそく横山さんは京都市から綾部に通って仕事を探し、綾部市に本社を置く日東精工株式会社に就職が決定。
移住後は住みながら家の改築に取り掛かり、工務店にさまざまな要望を出して納得のいく家が完成したそうです。

横山さん一家が暮らす家。家も敷地も広大だ。家の中は希望通りにリノベーションした。

 

美しい梁を見せるために天井を撤去。建具などにもアイデアを盛り込んだ。

移住してから暮らしはどう変わりましたか?

会社勤めのかたわら、家に隣接する畑で有機農法の野菜作りにも汗を流す暮らしを送っています。広い畑なので、野菜はほぼ買わなくてもいいぐらいに自給できるのが嬉しいです。
こういう暮らしをしていて感じるのは「生きることは食べること」。生きるためには食べなくてはならないし、食べなくては体も動かない。食べることはとても大事です。食に対する考え方も変わり、農薬や添加物など、不自然なものを極力避けるようになりました。
素晴らしい自然のプロセスを体感する毎日で、自然の厳しさや奥深さを日々、感じています。

家のすぐ裏には広い畑があり、ほしい野菜があればすぐに採りに行ける。

 

自然の中での子育てはいかがですか?

素晴らしい環境で子育てできるので移住して良かったと思います。私が子育てで大事だと考えているのは「教育・共育・共生」の3つの「キョウイク」なんです。生き方や学問を教える「教育」と親子が共に育っていく「共育」、それに自然の多様性の中で生きていく「共生」。
子どもたちは自然の中で育てば、多様性が当たり前に存在していることに気づきますし、環境意識も自然と培われます。頭で考えるのではなく、感覚的に学んでいくことが大切だと思うんですよね。子どもたちの「なんで?」に答えるために親も勉強しなくてはいけません。

 

地域の活動や自治会にも積極的に関わっておられますが?

はい。地域を活性化する活動「水源の里かんばら」や上原町自治会の活動に参加しています。その理由は「自分で選んで移住したのだから、ここにいる意義を自分で納得したい」ということなんです。
もう一つ。私は移住者ですが、子どもたちにとっては綾部が地元なんですよね。だから子どもたちの地元を守っていきたいという思いがあります。
「水源の里かんばら」には竹チップを活用したカブトムシの自然繁殖を行う「バンブー・ビートル・プロジェクト」を提案して活動しています。上原町自治会には災害時に自らの身を守るための勉強会やヨガ教室などを提案して、どれも実現しました。自分のアイデアにみなさんが賛同して、どんどん膨らませてくれるんです。一人ではできないことでも力を合わせればできるのが嬉しいです。

 

綾部での暮らしにとても満足しているという横山さん。

上原町のどこが気に入っていますか?

JR山家駅があり、こんな田舎なのに電車やバスでの移動ができて便利です。駅から出るとすぐに「山家ふれあいの駅」があって、弁当やアイスクリームも買えます。少し歩けば上原橋からは由良川、さらに歩けば東山公園からは上林川の美しい景色が見られますし、山家城址公園もあります。徒歩20分圏内に利便性とこんな散策道があるのはこの辺りならではだと思います。

 

JR山家駅を出発する列車。のどかな風景の中を走る。

 

JR山家駅の前には「山家ふれあいの駅」があり、採れたて野菜や弁当、スイーツやケールのスムージーなどを販売している。

 

都会で家を持つのに比べれば、大幅に小さな費用で大きな家と畑を手に入れた横山さん一家。家の周りは自然豊かで子育てには申し分ない環境です。しかも交通の便も良く、周りの人たちもみんな親切。地元の活動にも積極的に参加して、充実した日々を送っているようですね。

綾部には空き家がたくさんあり、手頃な価格で入手が可能です。横山さん一家の暮らし方は、子育て世代の参考になるのではないでしょうか。