宝石・時計・メガネ フジムラ
商いの精神 代々受け継ぎ
1872(明治5)年に時刻制度が変わり、欧米から時計生産技術が導入されるのに伴い、明治から大正時代にかけて時計商を営む人たちが日本各地で現れるようになった。この地でも1880(明治13)年に、藤村清次郎によって、時計、メガネ、寒暖計を扱う「藤村時計店」が開業された。
昭和に入ると同店は、2代目の萬次郎を亡くした妻のツルが時計修理職人を雇いながら3代目として事業を継続し、息子である4代目・保を戦争で失うも、その妻・俊子とのれんを守り続け、5代目の宏さんへと引き継がれた。
時代の流れと共に貴金属の販売を始め、1994(平成6)年に法人化し、「有限会社フジムラ」を設立。宝飾品、時計、メガネ、補聴器など長年愛用してもらえる品物の総合専門店として141年の歴史を築いてきた。
現在、6代目として経営にあたる藤村浩己さん(47)には長い歴史への重圧感はない。表情はいたってさわやかだ。
「商いは牛のよだれ、細く長く絶えることがない努力」とは3代目・ツルの言葉だが、焦らず、世情に惑わされることなく店を営み、お客さんの望みを丁寧に聞く浩己さんの姿勢には、ツルの精神が確かに息づいている。
経歴を教えて下さい。
高校を卒業後、メガネの専門学校で学びました。大阪のメガネ店で3年勤め、その後は宝石・時計店で経験を積み、26歳で綾部に帰ってきました。
子どもの頃の店の思い出はありますか。
私の子どもの頃は景気も良く、父や時計修理の職人さんが忙しそうにしていたのをよく覚えています。周りから言い聞かせられていたということもありますが、店を継ぐというのも当たり前のこととして思っていました。
家で過ごす時間増え、目の悩み増加
目に関する困り事、メガネの相談が増えているそうですね。
人間は何万年という時間をかけて少しずつ進化してきましたが、この20年ぐらいでパソコンやスマートフォンなど、私たちを取り巻く環境が急激に進歩し、「見る」という行為が激変しました。特に近くのものを見ている時間が増え、目への負担が増加してきています。
さらに新型コロナの影響で、家で過ごす時間が多くなり、読書、オンラインで会議を行ったり、ウェブセミナーに参加するなど、パソコンや近くのものを見る時間が増えたという方が多いようです。このようなことから「目が疲れる」という声をよく耳にします。
私も目が悪くメガネが必需品ですが、「買ったら終わり」「視力が落ちたら買い替えればいい」と思っているところがあります。
目は遠くから近くを見るといったピントを合わせる機能と、物を追うなどの眼球を動かす機能があります。
メガネを作成するにあたり、「見える」ということは大切なことですが、ただ単に「見える」ではなく、「楽に、自然に見えること」が一番大切です。
「楽に、自然に見える」ようにするためには、遠視、近視、乱視、老眼以外にも様々な要因が考えられるため、お客様の目の使い方や癖を読み取ることも重要です。また機械では測定できないところは、お客様と十分にお話をさせていただき、その中で使用目的や困っていること、その方の見る時の癖などを見て、機械から出たデータを参考にして最終的に度数を決め、使用目的に合ったレンズを選択させていただきます。
見え方は使用状況や年齢によっても変化しますので気になることが出てきたらおたずね下さい。
「お客様のお役に立てるよう」努力重ねる
店にかける思い、読者に知ってもらいたいことがあれば聞かせて下さい。
この仕事に携わって26年です。更なる技術、知識を向上させ、少しでもお客様のお役に立てることが「フジムラ」の役目だと思っています。
この記事を読んでいる方の中でも、「しっかり見えているけど疲れやすい」「新聞を読んでいると目が疲れる」「メガネを買ったがどうも疲れる」といったことがありましたら、いつでもお気軽にご相談下さい。
宝石・時計・メガネ フジムラ
綾部市西町1―61
電話 0773-42-0822
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