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有明オート(自動車専門店)

頼ってもらえる車屋に

正直なところ、車に対して苦手意識がある。できることなら車に乗らずに生活したいとすら思っている。そんな記者が訪れたのは創業45周年を数える綾部の古参自動車会社、有限会社有明オート(井倉新町)だ。取材前、〝人選ミス〟という言葉が脳裏をよぎったが、まさか自分が車の話題で心躍らせることになろうとは、この時、露ほども思わなかったのである-。代表取締役の有道栄作さんは有明オートの2代目。2017年に正式に代表取締役に就任し、創業者で父である隆作さんから会社を引き継いだ。父が土地の造成から文字通り〝手作り〟で作り上げた会社を守りながら、新たな挑戦に臨もうとしている有道さんから話を聴いた。

2代目社長の有道栄作さん

求められる作業にいかに早く対応できるか

事業内容について教えてください。
新古車の販売、自動車保険の取り扱い、自動車修理・板金、車検・点検、ロードサービス、レッカー作業などです。経営理念は「We Are KURUMAYA」。いつでも頼ってもらえる車屋を目指しておりますので、自動車に関することなら何でもご相談下さい。

自動車業界の現状をどのように感じていますか。
特に感じているのは人材不足と、変化する自動車への対応の難しさです。業界全体で整備士が不足していて、仕事はあるのに担い手がいない状態です。せっかく整備士の資格を取得しても、仕事に魅力を感じられず退職してしまう若者が多いように思います。また主流であったガソリン自動車から電気自動車へと移り変わる今、求められる作業にいかに早く対応できるようになるかが生き残るポイントだと思います。

会社外観

軽トラは格好良くて面白い

他社と比べて「これだけは負けない」と言えるものはありますか。
クレーン車を用いたロードサービスには自信があります。クレーン車があれば落下した自動車の引き上げが可能です。キャリアカーも保有していますし、どんな事故にも対応できます。当社のクレーンは小回りの利くトラックタイプですから狭い現場でも活躍します。実はクレーン車に乗って建築現場の建て前に出動したりもしていますよ。

創業当初からクレーン車を所有。写真のクレーン車は2代目

この先、ブームになりそうな商品はありますか?
軽トラックのカスタム事業に力を入れています。海外では日本製の軽トラックが注目されていて、小型なのに運搬能力が高く、馬力もあり耐久性に優れた点で人気を集めています。燃費が安く維持費を抑えられるのも魅力の一つです。当社では但東自動車(兵庫県豊岡市)と協力店関係を結び、リフトアップ(車高を上げる施工)を施したカスタム軽トラック「サムライピックアップ」を扱っています。今後は日本国内でも「軽トラは格好良くて面白いぞ!」と推していきたいですね。

変化する時代に先手 魅力的なツールを

「軽トラックは農作業車」というイメージを覆す挑戦ですね。軽トラック事業の次の一手は。
軽トラック用に開発された着脱式キャンピングシェルを扱うJUSETZマーケティング(兵庫県神戸市)と契約し、軽トラックキャンピングカーの販売を始める予定です。このキャンピングシェルはキッチンカーとしても応用でき、起業を考えている方にとって魅力的なツールになるのではないでしょうか。コロナ禍で苦境に立たされている飲食業界の販路拡大にも貢献できます。

会社の敷地は先代社長がマイカーで整地した

亀岡市ではキッチンカー導入支援が新年度から始まります。キッチンカー購入にかかる費用などが補助されるとのことですから、この好機を逃すまいと考えています。4月には綾部駅前のピースビルにて当社が取り扱うキッチンカーのお披露目を行う予定です。ご興味のある方はお気軽に当社までお問合せ下さい。

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整備士不足、ガソリン自動車から電気自動車への過渡期という状況下に置かれながらも有道さんは前向きだ。新しいものに挑戦はすれど、父が作り上げてきた従来の会社姿勢や顧客をないがしろにするつもりは毛頭ない。〝京都唯一の軽トラ侍〟になれるか、有明オートの今後の活躍に期待が高まるばかりだ。

 

有明オート
綾部市井倉新町譲り葉16
電話 0773-42-6990