移住立国あやべ

綾部の漫画Cartoon

すぐに使える「綾部の方言」その②


どこに移り住んでも、その土地の「ことば(方言)」は必ずあります。
ここでは、綾部のまちで日常会話として使われる方言を
となりのしかたさんの漫画とともに紹介していきます。

《「丹波弁」がベースに》
綾部弁は丹波弁をベースに都言葉(京都弁)や若狭弁、丹後弁、但馬弁、摂津弁などが混じってできているそうです。大阪や神戸、京都市内で聞かれる言葉とはかなり違います。テレビなどの影響で「昔ながらの方言や訛りがだんだんと消えていく」と嘆く声があります。綾部弁にも、ある年齢層以上の人しか使わなくなった言葉があるようです。言葉は変わっていくものですね。。

 

【おってん】
ある人が以前畑仕事をしていたとき、郵便屋さんが来たのに気づいたので玄関に回ると、郵便屋さんがその人を見つけて「あ、おってん?」と言ったそうです。「あ、いたんですね」という意味の綾部弁。アクセントは「おってん」の「」。
関西弁を聞き慣れていたその人は「おってん?」とは馴れ馴れしいな、とちょっと気を悪くしたそうです。関西弁で言えば「おったん?」のニュアンスだと感じられたのでしょう。ところが綾部のネイティブの人たちにすると「それはちょっと丁寧な言い方」とのこと。
綾部弁でフランクに言う場合は「おったん?」となり、ちょっと丁寧になると「おってん?」になるのだそうだ。さらに丁寧に言うと「おっちゃったん?」となるそうです。「たん・てん・ちゃったん」 三段活用で覚えましょう。
【ホントに】
「このアイデアは実行すべきだと思う」「ホントに」という会話があったとします。「ホントに」の「に」は語尾上げです。これが標準語なら「えっ、ホントにやるつもりなの?」と疑問を呈するような意味になるのですが、綾部弁の場合は語尾上げでも「ホントにその通りだよ」と同意を表すのでです。このニュアンスは実際に使って、聞いてみないとわかりません。ホントに。

【けん】
四国や九州で「そうやけんな」と言うと「そうだからね」という意味になりますが、綾部弁だと「そうなんだけどね」と意味が違ってきます。綾部弁の「けん」は「けど」なのです。「腹は減っとるけんなあ、仕事を片付けてしまうわ」と言えば「腹は減っているけど仕事を片付けてしまうよ」という意味。これを九州の人なんかが聞いたら「え?腹が減ってるから仕事を片付けるってどういうこと?」と意味がわからないことになりますね。
【で】
「で」は綾部の方言では「から」です。たとえば「そうやでね」は「そうだからね」という意味になります。「今日は俺のおごりやで、パーッといこかいな」みたいに使います。「で」は綾部以外でもかなり広い範囲で使われているでね。といった具合に。

【お出会いする】
これは方言とは少し違うかもしれませんが、人に会うことを綾部弁では「お出会いする」と言います。たとえば電話で会う約束をするとき、「明日にでもお出会いできたら嬉しいです」という風に丁寧な言い方として重宝します。この表現の柔らかい言い回しが心地よいですね。
その⓷へつづく

すぐに使える「綾部の方言」その③