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【田舎暮らし豆知識】「村用」を知ろう

綾部での暮らしには「村用むらよう」が付き物です。暮らしの一部と言っても良いでしょう。では村用とはどういうものなのでしょうか。

村用風景。集まって交わす会話も貴重。

集落の人が力を合わせて地域を維持する活動

村用が全国に通用する言葉かどうかはわかりません(すみません)。綾部では集落の人が集まり、力を合わせて地域の環境を維持する活動のことを村用と言います。

獣害防止の金網柵を設置する村用。

具体的な活動としては、

■地域の共有山林や池の周辺の草刈り
■地域の共有山林の樹木の間伐
■農道の補修
■農業水路の清掃
■神社や公民館、公会堂周辺の清掃

などがあります。村用の頻度は地域によって異なりますが、中心街は少なく、農村部は比較的多い傾向にあります。農村部では1~2カ月に1回ぐらいのペースで何かしら村用があるのが一般的。

 

なぜ村用が必要なのか

都会では村用というものはほとんどありません。たまに地域の清掃作業があるぐらいではないでしょうか。では田舎暮らしではなぜ村用が必要なのでしょうか。

広大な範囲も大勢で草刈りすればあっという間。

それは歴史的、伝統的に農村では自治意識が強く「自分たちの村は自分たちで守る」という気持ちを誰もが持っていたからです。それは今でも続くかけがえのない財産。田舎が田舎たる所以であり、そういった活動を行政任せにしていたら、田舎の美しい里山は到底維持できなかったことでしょう。

村用によってみんなが地域の一員としての意識を持ち、仲間意識や相互扶助の精神が育まれ、さまざまなことが「お互いさま」「おかげさま」の気持ちに支えられるようになるのです。こういった連帯感は、都会ではすっかり希薄になってしまいましたね。

 

道具を持って村用に出よう!

村用に出ることは集落の住人として大切なことです。積極的に参加すればすぐに「一緒に集落を守っていく意識がある人」と認めてもらえますし、集落に溶け込む一番の近道なのです。それに、自分たちの力で維持されている美しい里山を眺めるのは本当の意味で幸せなことですよね。

神社の整備作業の村用。

では村用にはどんな道具が必要なのでしょうか。一般的には次のようなものです。

■溝掃除用のくわ
■草刈り用の刈払機
■山林整備用のなたかま

場合によってはチェーンソーが必要となることもありますが、持っていなくても大丈夫です。

 

経験がなくてもできるのだろうか、、

村用で里山は美しく保たれる。

大丈夫です。村用は難しい技術が必要なことはなく、普通に草刈りができる人なら心配することはありません。むしろ経験豊富な先輩たちの仕事ぶりを見たり、話を聞かせてもらうことで学ぶことが多いはずです。田舎暮らしの達人たちはどんなことを質問しても答えてくれることでしょう。