【志賀郷に移住した経緯】石﨑葉子さん
■以前住んでいた場所:
東京都大田区(神奈川県出身)
■現在の住所:
志賀郷地区
■綾部市への定住:
2018(平成30)年、志賀郷地区に移住
■家族構成
夫婦・子1人
綾部に移住した経緯を教えてください
都内のマンションで、息子と夫、3人で暮らしていました。
家でおうちカフェを開いたり、ヨガをしたりと充実した日々を過ごしていました。
長期休みのたびに、家族旅行で西日本各地の田舎に行くのが我が家の恒例行事。いろいろなところに行っていました。息子が幼稚園を卒園するとき、家族で卒園旅行をしよう、と調べて向かったのが、志賀郷でした。
その時は水田家の食卓に2泊しました。
梅林公園に梅を見に行ったり、農作業を手伝ったりと、志賀郷を中心に綾部で穏やかで楽しい時間を過ごしたのですが、東京に戻るその帰途の新幹線の中で夫が「志賀郷に住もうかな」と言ったことが綾部に移住するきっかけです。
初めて行った場所、2泊しただけで移住?と驚きましたが、夫は有言実行タイプなので「移住することになるんだろうな」と腹をくくりました。
数か月後、夏休みにまた家族で志賀郷へ。その時には住居を決める目的で行きました。
この時は水田家の食卓と手紙の木の家に合計5泊しながら、毎日志賀郷地区の物件を見て回りました。
その時、まだ移住前なのにも関わらず地域の人が声を掛けてくださり、志賀郷地区の子ども会のBBQに参加することに。
子ども同士は打ち解けるのが早く、すっかり馴染んで楽しく遊んでいる息子の姿をみて、ここなら楽しく過ごせそうだなと確信しました。
我が家は最初から志賀郷地区に狙いを絞って住まいを探しました。
住んでみると、綾部の他の地区もいいところがいっぱいあるなと知りましたが、志賀郷に限定して物件探しができたのが我が家としてはよかったんだと思います。
住むことになった住居は築100年以上の建物。
間取りも広く、移住するなら農家民宿をしたい!と思っていた我が家にとってはぴったりの物件でした。
オンラインで工務店とやりとりをしながら、床などはリノベーションをしました。
東京で通っていた小学校がとてもよいところで、1年でお別れすることになったときは泣いて悲しみました。この選択が息子にとっていいことなのか?と思うことはありましたが、今でも、東京の友だちが遊びにきてくれる関係が続いています。
終業式の翌日に志賀郷へ移住。
1年目から畑をはじめ、化学肥料は使用せず、1年通してさまざまな種類の野菜を育てています。
そして移住2年目の5月に農家民宿Seventh Homeを開業しました。
農家民宿Seventh Home
宿の名前の由来は「Seventh Home」=7番目の家。
お客さんにとって、7番目の家になれたらいいな、たまに帰ってきてゆっくり過ごしてくれるような場所になれたらという思いで名付けました。
初年度はインバウンドのお客さんも多かったものの、翌年からのコロナ禍で激減しました。
そんななか嬉しかったのは綾部市街地に住んでいるお客さんが数組来られたこと。
市街地に住んでいると志賀郷になかなか来ることもない方もいらして、「同じ市内とは思えない」と川遊びや自然を満喫されたのが嬉しかったです。
食事は家で採れた野菜を使って料理を出しています。
お客さんにもめぐまれて、お客さんからいろんな話を聞けて、新しい知識を得られることが幸せで、民宿をしてよかったなと思います。
志賀郷には農家民宿が6軒あり、先日6軒をまとめたリーフレットが完成しました。
それぞれコンセプトが異なる個性的な宿を、特徴捉えて素敵にまとめてある冊子で、もちろんSeventh Homeも掲載されています。
志賀郷の魅力をどんなところに感じていますか。
移住者が土地柄ということもあり、地域の方に移住者を受け入れてくださる雰囲気があると思います。
自分の生き方を追求している移住者が多くいて、みなさんの生き方に日々刺激をもらっています。
綾部のどんつき(道の突き当たり)に志賀郷があるので、今の緑豊かな風景がそうそう変わることはないだろうなというのも魅力です。
うどん(竹松うどん店)、そば(そば処 あじき堂)と美味しいご飯屋さんがあるのが魅力。
現在また一店舗、開業準備中のお店があるので完成が楽しみです。
最近は、京都市内の大学生が、ゼミやフィールドワークをしに志賀郷に来ることが多いのもポイント。若い人のアイデアと行動力で志賀郷を調べていて、それぞれ着眼点が異なるので発表を聞いているとおもしろいです。
志賀郷での暮らしはどうですか?
ここらへんのことつたえ隊のリーダーとしても2021年度から活動をしています。
綾部の12地区それぞれの紹介動画を制作して、私は志賀郷地区と物部地区を担当しました。
志賀郷は住んでいるので知ってはいましたが、隣の物部のことは意外と分からなくて…。この動画制作を通じて、物部の土地のことや住んでる人のことを知れたのはいい経験でした。
今後も楽しみながら、綾部に興味をもってくれる人と綾部の人とを繋げるお手伝いができたらと思ってます。
去年(2021年度)から「小さな谷の小さな暮らし~生きる力育むプログラムin綾部」〈通称ちいたに)というプログラムもスタッフ。志賀郷の移住者で企画運営しています。
主に都市部に住むの家族が毎月志賀郷に来て、農をメインとした「暮らし仕事」に通年で取り組むプログラムです。
ちいたにの輪ももっと広げていけたらと思っています。
志賀郷のここが自慢
「トトロの山」
お客さんに「この辺にトトロの山があるんですよね?」と聞かれてびっくり。初めて聞く名前でまるで見当もつかなかったので、西方町のぼっかってさんに案内してもらいました。見てみたらほんとにトトロがいました(笑)。連れていく人みんな「トトロがいる!」と声を上げて驚かれます。