『移住+茶農家として独立』茶園の歴史を継承
現在の住所:綾部市舘町(豊里地区)
綾部市への定住:2007年
櫻井喜仁(よしひと)さん、史(ふみ)さん夫婦
農家への道を志し全国を転々としていた櫻井さん。
2007年に綾部へ移住するとともに
夫婦で茶農家として独立就農されました。
茶園を継ぎ、独立就農に至ったその経緯を伺いました。
—綾部へ来る前は何をされていましたか
(喜仁)私は大阪府貝塚市の出身です。東京農業大学で国際農業開発分野を専攻し、卒業後はアメリカで合計3年間、農業研修のプログラムに参加しました。その後は北海道や鹿児島県、長野県と転々としながら養豚の仕事に携わってきました。
(史)私は滋賀県大津市の出身です。幼い頃から自然や動物が好きでした。酪農への道を目指して高校は北海道でファームステイ、短大を経たのちに牧場で実習生に。その後は鹿児島県で農業の研修を受け、滋賀県の農業法人で働きました。
—どういう経緯で茶農家になったのですか
(喜仁)転機をむかえたのは30歳を迎える前、今までとは違う感覚で「農業を自分でもやってみたい」という気持ちが沸き上がってきました。その頃お付き合いをしていた史さんとも相談しながら、実家が近い関西での就農を模索している中で、京都府が主宰する『担い手養成実践農場』という取り組みを知ります。そこで綾部の離農茶園を紹介されたことで、「茶農家として夫婦二人でやっていく」ためのスタートラインに立ちました。
(史)茶の農業は未経験の分野でしたが、「収益性が高いこと」「繁忙期以外には野菜を作ることも出来る」といったことに可能性を感じました。今思えば綾部という地にも縁があったのかもしれません。
—茶農家として独立してどうですか
(喜仁)綾部に来た2006年から『担い手養成実践農場』の研修が始まりました。近隣の方に『技術指導者』『後見人』になっていただき、茶栽培の方法から地域での生活まで、事細かに支援してもらえました。おかげさまで現在は茶園167アール、菜園16アールの規模を管理し、売り上げも茶農家として生活していけるまでになりました。地元の商店に茶商品を扱っていただいたり、地域ぐるみの応援も励みになっています。
土地を耕し、新たに定植した茶の苗木。摘採できるまでは4年以上の歳月を要するという
—オリジナルの商品を紹介してください
(喜仁)メインの商品として玉露・煎茶・番茶・ほうじ茶の各種商品(リーフと一部ティーバッグ)があります。JAの直売所である彩菜館(綾部・福知山・西舞鶴・東舞鶴)で扱っていただいています。
また、地元商店の横田商店には上記の商品を横田商店さんのブランドとしてお取り扱いいただき、あやべ温泉等にも置かせていただいてます。
あと、これは試作開発中のものになりますが、奄美大島の黒糖とコラボした商品もあります。各種お茶粉末と砂糖を混ぜた「あやあま」(綾部の「あや」と奄美の「あま」)というものです。牛乳を使って作れるほうじ茶や玉露などのラテ・ミックスとしてもお楽しみいただけます。
—今後の展望を聞かせてください
(喜仁)奥深くて広い『お茶の魅力』をこの場所からもっと伝えていきたいです。例えば、急須で入れたお茶の美味しさなどもそうです。どうすればその魅力を伝えることが出来るのか、試行錯誤しながら発信していきたいと思っています。
「AtoZ」という手法を活用して作った急須の楽しみ方を伝えるチラシ(櫻井さん作)
(史)「お茶」というキーワードを通じてたくさんの出会いをいただいています。これからもそんな出会いを大切に、いろいろな分野の人たちとコラボレーションしていくことで、新しいものが生まれていくんじゃないかと期待しています。
地元の仲間と協働で企画したイベントで参加者にレクチャーをする櫻井さん(舘町の茶園で)
櫻井さんの茶商品についてお問合せ・お求めはメールにてお願いいたします。
camellia.sinensis.ys@gmail.com (櫻井宛)