リノベーション/Hさん宅の場合
2015年に上八田町に移住したHさん。
母屋とガレージ、納屋と農地などをまとめて取得した。
母屋は古民家としては状態が良く、そのままでも居住可能な状態だったが、これから長く住み続けることを考えて、できるだけ快適に暮らせるようにネットで見つけた村上建設に相談したのだという。
Hさん「村上建設は古民家について知識が豊富で、施工事例も多く、相談してみて信頼してお任せできると感じました」
リノベーション前後の外観の変化。外壁を新しくし、屋根のトタンには吹付塗装を施した。
Hさんは、村上建設にどのようにリノベーションの希望を伝えていったのだろうか。
Hさん「前職の先輩(一級建築士)に相談したら、リノベーションの基本となる図面を描いてくれました」
その図面を基に、村上建設がCADで図面を起こし、Hさんは手描きのスケッチを使うなどして細かいイメージを伝え、微修正を行っていった。村上建設からも「スケッチにしてくれると、意図が理解できて進めやすい」と好評だったという。
CADで起こした図面は3D画像でネットを通じてパソコンやスマートフォンから確認できる。
Hさん「画面を操作すると家の中を自由に動き回れるので、完成形がイメージできて非常にわかりやすかったです」
図面が完成するといよいよ着工。古い床と壁は撤去し、ほぼ骨組みだけの状態に。傾いた躯体は柱をジャッキアップして矯正していく。
床下の骨組みができ、厚さ3cmの杉材で床を作っていく。壁や天井には断熱材をたっぷり入れ、古民家特有の寒さを防ぐ。
家を支える太い梁はところどころ虫食いが。状態が悪い梁は新しいものに交換する。
掘りごたつのあった和室はキッチンに変更。もともとのキッチンはリビングになり、大きな窓を作って、冷蔵庫の位置には薪ストーブを設置した。
キッチンは配置を熟考し、何度も設計変更を行った。
Hさん「オークションで落札したシステムキッチンを設置してもらいました。その際、夫婦ともに背が高いので高さを10cm近く上げてくれるようにお願いしました」
システムキッチンと高さを合わせた大きなカウンターや食器棚を造作、たっぷり収納できるパントリー作ってもらったという。
Hさん「大きなカウンターを作ってもらったので、非常に料理がしやすくて助かっています。ここで料理しながら食べることもあるんですよ」
古民家は基本的に平屋だが、寝室となるロフトを作ったのが面白いところ。
Hさん「ロフトは広くはありませんが、穴ぐら的な雰囲気でとても気に入っています。薪ストーブの熱気が上に上がるので、真冬でも驚くほど暖かい」
あちこちに他の古民家で不要になった建具を作り直したものを使っている。
Hさん「こういったアイデアや技術が古民家リノベーション施工の多い村上建設ならではだと思いました」
洗面台も大工さんが造作してくれたもの。ここに鏡が入って完成。鏡の裏側に取り付けられた間接照明はとても見やすいという。
壁いっぱいの窓を造り付けた広い風呂はHさんのお気に入りの場所。
Hさん「窓の外はうちの山。誰からも覗かれる心配がないので(笑)、窓を全開にして湯に浸かっています。冬は雪景色、春は桜を見ながらの露天風呂気分が味わえて最高です」
トイレの手洗いには、知人から譲ってもらったすり鉢を使用。銅製の蛇口はHさんがネットで購入したもの。
和室の8枚続きの襖には墨絵が描かれた。
Hさん「前職の先輩の奥さんが墨アーティストで、引っ越し祝いに描いてくれたものです。風になびく稲穂をイメージしたということで、大変気に入っています」
冬は雪の多い綾部。雪景色の中の明かりが暖かそうだ。実際薪ストーブのある暮らしはとても暖かい。
村上建設有限会社
京都府綾部市里町野53
TEL 0773(42)3267