移住立国あやべ

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田舎で米や野菜を育てる

田舎に移住して米や野菜をできるだけ自給したいと思っている人はたくさんおられます。でも「経験のない自分にできるのだろうか?」と不安に思っている人も多いようです。

苗を手植えした田んぼ。田植え機がなくても大丈夫。

75%以上が「農のある暮らし」

綾部市のローカル紙「あやべ市民新聞社」が2022年に実施した移住者向けのアンケート結果では、移住者の76.4%が農のある暮らしをしていると回答しています。プロ農家から家庭菜園まで規模はまちまちですが、野菜や米を多少なりとも自給している人が多いようです。

農のある暮らしをしている人に「農をどのように始めましたか?」と聞いたところ、、、

・近所の人たちからやり方を教えてもらった 56.1%
・自分でインターネットなどでやり方を調べた 43.9%
・何もわからないままとにかく始めた 43.9%
・農機具などは不要なものを無料または格安で譲ってもらった 39.0%

(複数回答可)

ということでした。

多くの移住者は「案ずるより産むが易し」を実践しているようです。とにかく田んぼや畑を始めてみて、わからなけばご近所さんに教えてもらったり、インターネットで調べてみたりして、試行錯誤しながらどうにかこうにか収穫! そうして積み上げた経験は間違いなく血となり肉となり、身についていきます。

知識と技術を蓄積していきながら、農作業を通じてご近所さんとの交流を深めている移住者も多いのです。

道具や機械を揃えるのが大変では…

よく聞かれるのが「田畑をやるには道具や機械が必要だと思うけど、揃えるのにお金がかかると思うと二の足を踏んでしまう」という声。心配ごもっともです。
道具は確かに必要。でも何でもかんでも最初から揃える必要はないのです。

最低限、揃えるべき道具を挙げると、、、

刈払機かりはらいき(草刈り機)
くわ(耕す、土寄せ、溝掃除など多目的)
・スコップ(大きな穴を掘る、収穫するなど)
・移植ゴテ(苗を植える、タネを播くなど)
・鎌(草刈り、収穫など)

これぐらいは誰でも持っている道具なので必須だと思います。畑だけなら極端に言えば鍬一本あればできます。もちろん耕うん機や管理機(小型の耕うん機)があれば楽ですが、自給用の畑程度ならなくても大丈夫。

刈払機は必携です。

ただし、田んぼで米作りをしたいのなら、やはりそれなりの機械は必要になります。田んぼで使う機械を挙げると

・トラクター(耕す、代かき、草をすき込むなど多目的)
・田植え機(苗を植える)
・コンバイン(稲を刈って脱穀する)
・バインダー(稲を刈ってくくる)
・脱穀機(刈った稲から籾を取り出す)

などがありますが、もちろん全部揃える必要はありません。トラクターなどは地域の農業法人などが貸し出してくれる場合もよくあるようです。

田植えや稲刈りは自給用の小規模な田んぼなら人力でも十分可能ですので、田植え機やコンバイン、バインダーは不要でしょう。脱穀も人力で動かす「足踏み式脱穀機」で大丈夫。探せば譲ってくれる人が見つかりますよ。

また、自然農で米作りや野菜作りをしている人は動力付きの機械をほとんど使いません。

トラクターは借りたり、オークションで中古を落札したり。

友だちとワイワイ稲刈り。

機械を導入するとしても高価な新品を購入する必要はありません。たとえば、あやべ市民新聞の「くらしのしおり」という欄(掲載無料)で「バインダーを譲って」などと呼び掛ければ、無料で譲ってもらえることも多いようです。

オークションなどには中古の農機具もたくさん出回っているので、利用する手もありますね。

 

最初からあれこれ道具を揃えようとするのではなく、まずはタネを播いてみて、必要な道具があれば借りたり、譲ってもらったり、買ったりするのが一番良いでしょう。

田んぼや畑の規模によっても必要な道具は大きく変わってきますから、無駄にならないように「道具は必要になってから手に入れる」のが鉄則。農機具は年に数日間しか使わないものが多く、その割に場所を取ります。必要もないのに買いそろえると広い納屋もすぐにいっぱいになってしまいます。

 

そして田畑のやり方や機械の使い方などは周りの人たちがきっと教えてくれます! YouTube などでもいくらでも学べます。もし失敗しても、そのときは来年頑張ればいいのです。必ず何か学ぶことがあり、成長していきます。

とにかくあまり構えずに始めてみることが大事です。みんなやっていることなので決してハードルは高くないですからね!

収穫した稲を天日干し。自分で育てた米や野菜が食卓に載るのは最高です!