【志賀郷に移住した経緯】
松尾圭子さん(わのくにのヨガ)
出身地:兵庫県姫路市
現在の住所:綾部市向田町
綾部市への定住:平成25年
--経歴を教えてください。
兵庫県姫路市出身で、長い間京都市内に住んでいました。
老舗の食品メーカーで企画の仕事をしていたのですが、体調を崩したことや、都会での暮らしに疑問が出てきたことなどをきっかけに、農的生活への憧れが募っていきました。
ちょうどその頃「サステナブル」という言葉を知り、そんな生活に憧れを抱き、実際に田舎に赴き様々な体験をするスタディツアーに参加するようになり…と、次第に視点が田舎暮らしへ向いていきました。
田舎に行けば理想的な生活ができると信じ、京都府内のとある地域に移住した松尾さん。
しかし実情はそうではなかったという。
想像していた田舎生活は都会の人間が理想を膨らませた「絵にかいた餅」だったんです。
あくせくした都会での消費生活から抜け出し、持続可能な生活、桃源郷のような場所を求め意気揚々と田舎にやって来た。でも、代々その土地に暮らす人たちの中には生活にコンプレックスや不満を抱えている人も少なからずいることがわかったんです。
ヒーロー気取りで田舎に来た移住者が、ずかずかとその土地に踏み込んでいるようで違和感を抱き始めました。
季節の花が家のそこかしこにしつらえてある
理想と現実のギャップはとても大きかったという。
その頃、綾部市と関係が深まるきっかけがあった。
週に数日、於与岐町にある風の子共同保育園に娘を通せていました。
ここの保育園はこどもの自主性を重んじる方針で、わざわざ片道1時間半かけてまで通う魅力がありました。
綾部に通ううちに友人も増えていき、次第に綾部への引っ越しを考えるように。
他にも様々な要因が重なったこともあり、住まいを離れ綾部に移住することを決意しました。
内外に松尾さんの書が飾られている
京都市内から一度田舎に移住し、そこから再度綾部に移住した松尾さん。
移住するにあたって心構えを変えてみたら、すんなりと地域に溶け込めたという。
--綾部に移住した時のことを教えてください
志賀郷町に移住したとき「ここは天国だ!」と思ったんです(笑)
志賀郷への移住者誘致に積極的に取り組む井上吉夫さんが仲介役となってくださり、地元の人と移住者との距離が近く、気にかけてくれたり話しかけてもらえるのがとても嬉しかったんです。
ユニークな移住者がユニークな移住者を呼ぶ。
そして外から来た人を温かく迎え入れてくれる地元の人の温かさがなによりも志賀郷の素晴らしいところだと思います。
仮住まいだった家を離れ、現在は向田町内に住む。
友人たちとリフォームをした家は、こぢんまりとしているが松尾さんのお人柄そのもののような凛とした空気が漂う住まいだ。
地域の人はほどよい距離でいつも温かく見守ってくれています、と顔をほころばせた。